蝉時雨と夏と夏ミカン４ ページ21
夏ミカンをぽんっと上に投げる。
酸っぱい香りのするそれは、また三郎の手の中に帰る。
手の平大の、お礼。
匂いをかぐと、柑橘系の爽やかな香りがした。
「夏、だねぇ」
誰に言うでもなく、呟いた。
のんびり帰っている途中。
大通りに出た所で、小さな悲鳴が聞こえた。
そちらの方を見ると、綺麗なお姉さんが地面に倒れている。
その女性が叫んだ。
「引ったくりよ！捕まえて！」
その声を聞き、女性が指す方向を見ると。
三郎のいる場所とは反対の方向へと逃げていく、男を見た。
走っても、追い付かない。
そう判断した三男は。
躊躇せず、手の中の夏ミカンを投げた。
小気味良い音がして、夏ミカンは引ったくりの頭にクリーンヒット。
「いだぁ！」
「いぇっす！」
叫ぶと、よろけている引ったくりに瞬く間に追い付き。
飛び蹴りをかました。
あっという間に引ったくり犯を確保。
「ありがとう！」
綺麗なお姉さんは、盗られた鞄から小さな瓶を取り出した。
「今、急いでるの。これ、お礼になるかしら…？夏ミカン、駄目にしてごめんなさい」
慌てた感じで言うと。
「…彼女にでも、あげて？」
去り際にそう囁いて、三郎にそれを握らせた。
手の中に残された瓶を見つめる。
ピンクの、液体が入った可愛らしい小瓶。
小さく、『試供品』と書かれてあった。
嗅いでみると、微かに花の香り。
「…香水？夏ミカンが、香水に!?」
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山田(プロフ) - ハルさん» ハルさん、お久し振りです！来て下さって嬉しいです(^-^)読んで頂けるだけでなく、コメントまで…ありがとうございます。頑張ります♪ (2013年5月20日 21時) (携帯から) (
レス) id: 35806cb009 (このIDを非表示/違反報告)
山田(プロフ) - ダブルピースさん» ダブルピースさん、いつも覗いて下さってありがとうございます。中々お話をまとめられなくて、更新遅くなってしまいました…(T-T) (2013年4月8日 15時) (携帯から) (レス) id: 35806cb009 (このIDを非表示/違反報告)
ダブルピース(プロフ) - 移行おめでとーございます。最近更新ないなって思っていたら、`2`作ってたんですね！これからも応援してます。頑張ってください！！ (2013年4月8日 14時) (レス) id: 27711ec714 (このIDを非表示/違反報告)
山田(プロフ) - 鈴さん» 鈴さん、お久し振りです(^-^)一応、『貴方は何色の〜』の過去と思いながら書いています。お互いに更新、頑張りましょう♪ (2013年4月6日 7時) (携帯から) (レス) id: 35806cb009 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 面白かったです！！これは何色の未来の別の話ですか? (2013年4月6日 1時) (レス) id: 7ec235b99c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山田
| 作成日時：2013年3月15日 8時
