聖なる夜の乙女たち (ページ7)

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エスカレーター式の大学へ進学する生徒がほとんどのこの高校では受験勉強をあまりしない

試験があると言っても面接のみだから

直前に練習、既に面接は終わっていて結果は年明け

これに落ちた人は正直あまりいないからみんな気は緩んでいる

A｢私も金髪に染めようかな｣

祥｢やめとき、痛むで｣

A｢でも綺麗｣

祥｢Aの黒髪の方が羨ましがられるやろ｣

A｢んー、わかんない｣

今年のクリスマス、どう過ごす？

その一言を言えばいいのになんだか言いづらい

去年も一昨年もショッピングモールのクリスマスセールに丸1日買い物していたから

クリスマス！って感じのクリスマスを過ごせていない

でもAのクリスマスを2年も独り占め出来たのはちょっと優越感

A｢祥生今年のクリスマスどうする？｣

祥｢えっ？｣

A｢なにそのアホズラ、だから今年のクリスマスどうするって聞いてるんだけど｣

祥｢クリパは……｣

A｢え？気使うから嫌って言ったんじゃん｣

祥｢そう、やな。どうないしよっか｣

まさかAから言われるなんて思ってなかった

気を使わないで済む相手ってやっぱ俺は1番の男友達

祥｢んー、思い切って遠出とか｣

A｢お、いいじゃん｣

祥｢いっぱい写真撮れる所がええな～｣

A｢この前テレビでやってたところすごい景色綺麗だったけど見る？｣

祥｢え、見たい！！！！｣

楽しいことになると子供みたいにはしゃいで

やる気になるAはやっぱり可愛い。

A｢祥生、鼻真っ赤｣

祥｢いや自分もやで｣

A｢寒くなってきたもんね｣

祥｢雪降らんかな～｣

寒い寒いと肩をあげて寒がるAが小動物みたいで

思わず可愛いな、と言うと

思ってもないくせにと肩パンをくらった

ほんまに思ってんのひどいなぁ、

今年はホワイトクリスマスが来るだろうか

楽しみにクリスマスが来るまでを過ごした。