聖なる夜の乙女たち (ページ6)

今日:33 hit、昨日:28 hit、合計:44,114 hit

やんちゃな君にマフラーをページ6

.

隣で机に突っ伏して、堂々と授業中に夢の世界へ行っているこの子

祥｢Aっ、A～～！起きて、川尻先生見てんで！｣

A｢ん～～……無理、眠い｣

いつも無気力で、

その姿がすごく綺麗で

真っ黒な艶のある髪に雪のような肌

なにをどうサボろう、なんてことばかり考えていて

それなのに漫画のキャラみたいにテストの点数はよくって

ほんまに色々とずるい子やと思う。

A｢祥生ノート｣

祥｢はいどーぞ｣

A｢持つべきものはノートを写さしてくれる友達｣

祥｢なんやねんそれ｣

自分で言うのもなんだがきっとAの1番の男友達は自分だと思っている

いや、思いたい。3年間ずっとこうやっているから

じゃないと悲しいし

祥｢そうや、Aはクリパ行く？｣

A｢どこの？｣

祥｢クラスの非リアだけ集まってクリパしようやって｣

A｢ん～………行かない｣

祥｢なんで？！｣

A｢いっぱいいるから気使っちゃうだろうし、クリスマスくらいゆっくりしたい｣

祥｢いつもゆっくりしてるやんか｣

A｢うるさいな～～～！｣

クリパ幹事の元へAの不参加と自分の不参加を伝えに行く

Aが居らんならあんま意味ないな～と思ったのは本心

午後の授業になるとAはよく教室から居なくなる

下手したら放課後まで戻ってこない

理由はひとつ、お昼寝だ。

今日も放課後まで戻ってこなかった

慣れた手つきで自分とAの荷物を持って階段を登る

祥｢A～帰る時間やで～！｣

冬でも彼女は屋上で眠っている

風邪ひいても知らんからな！って言ったけど

そんな俺の心配もなかったかのように普通に寝ている

祥｢起きろ～｣

A｢ん～……｣

祥｢先生に言いつけんで～｣

A｢……私成績いいから大丈夫｣

祥｢平常点って知ってる？！｣

A｢ん～よく寝た、帰ろ祥生｣

部活に入っていない俺たちは出会った頃から何かと波長が合った。

家から遠いから部活をすると帰る時間が遅くなるという理由で部活をしない俺と

ダルいの一言で部活をしないA

なんやかんや3年間仲良くできているから不思議なものだ。