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「よっしじゃあな犬飼！」
「ばいばーい、またなんか聞きたいことあったらいつでもどうぞ」
夜の部の前に腹ごしらえを済ませておいた方がいいと言われたので、早めに二宮隊の作戦室から出る。とても有意義な時間であった。
光さんと共に食堂へと移動する。
「それにしても、恋愛漫画とは考えたなあのおチビちゃん」
「この国の画力は素晴らしいです」
「カナダには絵が上手いやついないのか？」
最近、気が抜けているのか初期に作られた設定を忘れやすくなっている。カナダ人という設定も今まさに忘れていた。なので、そうだったかもなんていう曖昧な返答をする。
ご都合の良いことに、本部では自分の名前や年齢、性格、家族構成とかだけは少しづつ思い出して来ている状況を展開している。
幸い、支部長が養父として登録してあるため困ることはないと言えばそれ以上の追求はない。頭の隅で、過去の大規模侵攻で傷つき記憶を失った可哀想な子供として考えられれば一般職員からも多少の同情はあっても、ネイバーだなんて疑われることもない。
「あの漫画の主人公でなんか掴んだか？」
「実はあんまり...京介が異性に好かれやすい素因などは分かりましたけど。結局、あの心配がどういう感情から来るかどうかなんて分かりません。」
これ程協力してもらったのに微妙な結果だ。収穫はあったのでこれから参考にするが...
ひとまず、今日はもうこの件に関して考えることをやめよう。
「おっ、今日マグロの漬け丼あんのか！これ美味いんだぞ。味噌汁付きだ」
食堂はまだ空いている。座れる席も多く残っていた。
光さんがメニューの紙を見てオススメするマグロの漬け丼。ネギ増量無料と赤文字で書いてある。
マグロを醤油ダレで漬け込んだのか。写真写りが良いのがまた美味しそうに演出家されている。
新メニューと言えば...
「生駒さんも来そう」
「呼んだ？」
メニューを覗いていると本当に後ろから現れた。オフなのか私服でのご登場。連れもなく1人でに、まるで未来予知のサイドエフェクトを持ってるが如く現れさすがに驚く。
光さんは反射的に生駒さんの胸板を叩く。
「びっくりさせんな！」
「ごめんね。」
両手を合わせて謝る。
「お礼に味噌汁奢るから許して」
「奢るも何も味噌汁付きだ！」
「え、798(ななきゅっぱ)とかお得すぎやろ。マグロの漁獲量ハンパないやん」
キャーとテンションあげて食堂の人に頼んでいる。
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