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次の日の朝、2月5日水曜日の8時
ランク戦では今日の夜に後輩が諏訪隊、荒船隊と勝負する。それはもちろん今日見に行くが、その前に色々済ませたいことがあった。
昨日の夜に東さんに連絡したところ、ある人物を相手に予定を入れてくれた。
B級一位の隊室を道行く人に聞いて辿り着く。部屋からは明るい声が
「おっ、きたきたー！いらっしゃいAちゃん」
犬飼さんとは話したことはないのに、いやに気前よく対応してくれる。
部屋の中は私物が少なく、整頓されオシャレなモデルルームのようだ。奥には恐竜と飛行機の模型などが置かれている。
「今日は辻さん居ないんですね」
「日佐人くんと模擬戦だってー、まぁこんなの辻ちゃんが見れるわけないしね」
「なるほど」
ドンッと置かれたのは本の山。千佳が見せてくれた5巻までではなく、今度は15巻程の長いシリーズ。そして、犬飼さんの姉によればこの主人公が京介に似てるとか。
「ありがとうございます」
よいしょ、と重い紙袋を受け取った。
「姉さんも喜んで貸してくれたよ。でもなんで急に烏丸に似た登場人物の居る恋愛漫画？」
「勉強です」
「ふーん、俺てっきり辻ちゃんかと思ったんだけどなぁ」
残念そうに肘を着く。たしかに仲は良好かもしれないが。
「なぜです？」
「だって、ひゃみさん以外の女子と顔を合わせて話すことが出来るのAちゃんぐらいだし」
いやまさか、そこまで重症なのか。B級なら那須さんとも戦うかもしれないのに。それだけじゃなく、ショッピングモールのマネキンですら反応してしまうのでは。
「それと...あのさ。烏丸の話、ここでしない方がいいよ」
首を傾げる。なにか経験があるのか、目にハイライトが入らない心の底からやばいことになる...と、心配している目だ。
「ひゃみさん。烏丸のファンだからさ」
「顔が良いからですか？よく分からないですけど、それなら辻さんや犬飼さんだって良いじゃないですか」
顔が整っているのなら見れば分かる。だが、私的には一番上の兄やブラキオラスの美形を見て育ったので、正直言うとそこまで衝動的に感動するものはない。
顔が良いからって全て完璧ではない。京介だって、何考えてるかよく分からないし。
「やだー、この子嬉しいこと言ってくれるね。でもダメなんだよなぁ。とにかく気をつけないと戦争が起きるよ」
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