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梟谷 ページ3
「お前、ちょっとこっちに来てくれっ」
腕をグッと掴んで私を引っ張る銀髪ミミズクヘッド。
ジャージからして梟谷、だろうか・・・。
「え、ちょっ」
彼の名前も知らなければ、目的地も分からない。
柑奈と琴音に助けを求めたけれど、掛けられたのは憐みの視線のみ。
「助けてってばぁぁぁぁぁあっ！！！」
「おっ、元気がいいやつだなっ」
否定する気にもなれず、言葉を適当に受け流す。
悲しいかな。
こういう人はまともに相手をするだけ無駄なのだということをすでに学習していた私であった。
「赤葦、連れてきたぞー！」
「連れて来たって誰を？」
私に視線を移した後、眉間にしわを寄せる黒髪の人。
「俺、他の人に迷惑をかけるなとあれほど言いましたよね」
木兎さん、と念を押すその声は低く、ゾッとするほど冷たい。
私の腕を掴んでいた力が緩んだ。
おぉ。
「すみません。うちの部長がご迷惑をお掛けして」
部長だったのか、このミミズクヘッド。
「俺は赤葦京治。よろしく」
人の好さそうな笑みを浮かべる赤葦の隣でピョンピョンとは跳ねる木兎先輩。
「部長の木兎光太郎だ！よろしくなっ」
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作者名：にゃんこ | 作成日時：2016年7月5日 12時
