壊れるほどに君を愛して【2】

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『落ち着いた？』

「…うん」







結局、午後の授業はサボった

またこうしていつの日かのように
屋上で寝そべり空を見上げる




けれど今日の空は清々しい青空ではなく
少し曇ってグレーがかった空だ









食欲も失せて
買ったばかりのお昼に
手をつける気にはならなかった






．







ピタッと頬に付けられた冷たい何か






「つめたっ」

『ごめんごめん。飲み物買ってきた』





いたずらっ子のような表情が広がる






起き上がり紫耀の手元を見ると

右手にはサイダー
左手にはオレンジジュース








「…オレンジジュースがいい」

『サイダーじゃなくていいの？』

「うん。サイダーはもう飲まないの」

『…そっか』







プシュッと音を鳴らして開けられた
サイダーの缶からしゅわしゅわとした音




ゴクゴクと動く紫耀の喉仏をちらっと見た後

オレンジジュースに口をつけると
甘ったるい味が口内に広がった







．








…何やってるんだろ私



結局何も変わってない

好きな気持ちだって
一向に振り切れていない









．









嫌いになったふりをしているだけ

好きじゃなくなったふりをしているだけ

興味ないふりをしてしているだけ







……全部、全部。ただの嘘。





．

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