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色々なお店を回った結果
結局買うことにしたのは1番最初に入ったお店
色とりどりのキャンドルを目の前にして
顔をしかめて悩んでいる
そんなお兄ちゃんを他所に
私の目に入ったのはラベンダーの香りのもの
淡い紫色のもので何故か特別目を惹かれた
「…お兄ちゃんの好きな人ってどんな人?」
『え?』
棚に飾られたキャンドルを眺めながらそう聞くと
こっちを振り向いたお兄ちゃんが
視界の隅に入り込んできた
大きく見開いた綺麗な瞳
そして僅かに開いた唇
『…活発な子かな』
「……」
『頭は良いのに要領が悪いっつうか…』
「……」
『なんか、ほっとけねぇんだよなぁ…』
「そう、なんだ…」
隣のキャンドルに反射したお兄ちゃんの顔
その表情は幸せに満ちていて
私のボロボロになった心を鋭い刃で切り殴った
お兄ちゃんにこんな表情をさせる彼女は
どれほど素敵な人なのだろうか
なんて幸せものなのだろうか
私に向けられる表情はいつも
「兄」としての保護者のようなもの
恋心を寄せる彼女のような
熱い視線が私に送られることなんて
今までもこの先もきっとない
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目の前にある淡い紫色のキャンドルの入った
ケースに反射して映し出された自分の顔は
何とも憐れで醜くて
とてもじゃないけど見ていられなかった
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むーちょ(プロフ) - ななみさん» そのようなお言葉を頂けてとても嬉しく思います。後悔の無いよう自分の持てる限りの力を発揮し、来月には笑顔でここに戻って来れられるように頑張りたいと思います…!少しお時間を頂く形とはなってしまいますが、最後までお付き合い頂けると嬉しいです(^^) (2020年1月14日 1時) (レス) id: f803838bc4 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - むーちょさん、素敵な作品を読ませていただいてありがとうございます。受験生なんですね。お勉強大変でしょうが、春には希望の場所で新しいスタートが迎えられますように。体調を整えて力が発揮できますように…祈っております。 (2020年1月14日 0時) (レス) id: 6b92244ddf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むーちょ | 作成日時:2019年11月15日 22時