壊れるほどに君を愛して【1】

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「…ごめんね私のせいで」

『連れ出したのは俺だし謝んなくていい』







教室の前方に貼り付けられた真っ白な時計

暖房によって温められ少し空気の悪くなった空間

外から聞こえるサッカー部員の声







そんな状況の中で若干不機嫌そうな顔を浮かべ
飽きた様子でホチキスの芯を弄っている彼






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先生にバレないようにささっと教室に戻って
帰ってしまおうと思っていたのに


まさかの先生が教室で待ち伏せしていて
授業をサボったことに対して酷く説教を受けた







普段からテストの点数も悪く
授業態度も良くない彼は私の何倍も怒られていて

罰として雑用をする羽目になってしまったのだ









「ねぇ、いつまで経っても終わらないよ？」

『だってずっとこれやってんだもん』

「ほとんどやってないくせに……」





私達の目の前にはプリントの山


春休みの課題となる
プリントのホチキス止めという
なんとも面倒くさい雑用を押し付けられたもんだ







『春休みなんでまだこねぇじゃん』

「先帰ってもいいよ？私1人でやるし」

『…なんか俺が押し付けてるみたいでやだ』




渋々ホチキスを手にし、作業を再開し始めた彼








物静かな空間がそこには広がっていた









「…あ、」

『ん、どうかした？』

「あ、いや……お兄ちゃんに連絡するの忘れてたなって思って」






慌ててリュックからスマートフォンを取り出し
お兄ちゃんへメッセージを送信する








お兄ちゃん気付くかな


文字でのやり取りは苦手だとか言って
いつも肝心な時に既読がつかない






…まあ、教室来ちゃったら来ちゃったで
事情話して先に帰ってもらえばいいかな








なんてことを1人で考えながら

ホチキスを手に持ち直した





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