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「…さむっ」
今日の気温は10度
ブレザーも着用せずに来てしまったせいで
ビュンビュンと吹いてくる風が体を過り
身体をブルルッと震わせた
.
胡座をかきながらポンポンっと隣を叩く彼
これは…隣に座れって合図?
「やだ。床冷たいじゃん」
『立っていたって寒いでしょ』
「それはそうだけど…」
立ち入り禁止の場所に入ってしまった上に
さらにそこでくつろぐという行為をすることに対し 心の中で葛藤が起こる
『ほら来いって』
「うわっ…」
座ろうか躊躇していると
突然腕が引っ張られた反動でそのまま
彼の上に覆い被さる形になってしまった
「いった……くない」
『そりゃあ、俺が下で受け止めてるからね』
頭の上から聞こえた彼の声
なんだか少し恥ずかしくなってしまって
そのままゴロンと床に寝転がると
雲1つない
まるでキャンパスに絵の具を塗りたくったような
青空が広がっていた
「…綺麗。寒いけど」
『そうだな。寒いけど』
「真似しないでよ」
『真似しないでよ』
やることがまるで小学生だ
.
私の頭の下には彼の腕がしっかりと敷かれている
「腕痺れないの?」
『全然?こういうの慣れてるから』
「あ〜、色んな女の子にやってるからでしょ」
『正解』
隣を向くと髪を風になびかせながら
瞼を閉じる彼の顔があった
不覚にもその横顔に見とれてしまって
数秒間じっと見つめた後
そっと空に視線を戻した
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むーちょ(プロフ) - ななみさん» そのようなお言葉を頂けてとても嬉しく思います。後悔の無いよう自分の持てる限りの力を発揮し、来月には笑顔でここに戻って来れられるように頑張りたいと思います…!少しお時間を頂く形とはなってしまいますが、最後までお付き合い頂けると嬉しいです(^^) (2020年1月14日 1時) (レス) id: f803838bc4 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - むーちょさん、素敵な作品を読ませていただいてありがとうございます。受験生なんですね。お勉強大変でしょうが、春には希望の場所で新しいスタートが迎えられますように。体調を整えて力が発揮できますように…祈っております。 (2020年1月14日 0時) (レス) id: 6b92244ddf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むーちょ | 作成日時:2019年11月15日 22時