壊れるほどに君を愛して【1】

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ふわふわと揺れる茶色い髪

力強く掴まれた腕が少し痛みを感じる






「…ねぇ、腕痛い」

『ん？…あ、ごめん』






本当に悪いと思っているのかと疑うほど
素っ気なく振り払うように離された腕


掴まれていたところが未だにジンジンする









『委員長ってさ、俺の事どう思ってる？』

「…どうって？」

『そのまんまの意味』






何故彼がこんなことを聞いてくるのか
この時の私には全く分からなかった




突然の問いかけに驚き一瞬黙ってしまったけれど








「女好きのチャラ男。かな」

『…ふっ。随分と正直に言うんだね』





思ったことをそのまま言葉にしたら
彼は柔らかな声でそう言って笑った









「…でも」

「凄く魅力的な人だなって思う」







私がこの言葉を漏らした時
彼はとても驚いた表情をして振り返った



その時の顔がなんだか面白くて
思わず少し笑みを零してしまった








『…何笑ってんの』

「ごめんちょっと顔が面白くて」

『はぁ？うるせぇよ』





不愉快そうな顔をしてまた前を向く







言葉遣いはとても悪かったけれど
彼が怒っていないことは私にも分かった





前を向き直す時、暗闇の中に浮かび
月の光でほのかに照らされた彼の表情が
少しだけ柔らかかったから





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