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memory...9 ページ10
翔ちゃんはほんとに優しかった
はじめて隣になった日のこと
消しゴムがなくなって翔ちゃんに貸してって言いたかったけど言い出せなかった俺の気持ちをすぐさま読み取って貸してくれた
こんな影にいた俺のこと相手にしてくれたのなんて入学して翔ちゃんが初めてだった
隣になったその日から昼ご飯も一緒に食べない？なんて誘ってくれた
翔ちゃんの周りには沢山人が集まってくるから俺なんて全然会話に入れなくて
でもそんな俺に二宮くんは何が趣味なの？とかどんな音楽が好き？なんて会話を回してくれた
俺がゲーム好きだって答えたらみんな好きだったみたいで会話に入れるようになった
グループで話し合いして下さいって言われた時はいつも誘ってくれて
登下校が途中まで一緒だってことが分かったその日から一緒に登下校して
席が変わってもずっと変わらず居てくれて
いつの間にか「にの」って呼ばれるようになってて
あんなに影が居場所だった俺は翔ちゃんに出会ってガラリと変わった
日向が居場所になった
どれもこれも全部翔ちゃんのおかげだ
ほんとにほんとに嬉しかった
俺だってこんな世界に出られたこと
翔ちゃんに出会えたこと
それだけで良かった
幸せだった
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作者名：まかろん | 作成日時：2018年3月28日 15時
