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memory...11 ページ12
時は流れて2年生も終わりの頃
翔ちゃんに彼女が出来た
その時はほんとによかったねって思ってた
けど、だけど、徐々に自分の気持ちに気づいていった
翔ちゃんの隣が変わった
髪は緩く巻かれていて女の子らしい身長で笑顔が可愛くて
翔ちゃんも翔ちゃんでモテるし
みんなお似合いだって言ってた
俺は影の人間に戻っていた
所詮影の人間と日向の人間が隣同士だなんて無理だ、そう思い知らされた
隣に翔ちゃんがいる日々が当たり前になってた
翔ちゃんがいたから俺は日向にいられた
だから隣に翔ちゃんがいなくなった途端俺は影に戻った
一緒に登下校したり放課後遊んだり話したり、そんな日々が少なくなった
寂しかった
寂しい、この感情だけで終わればよかった
悔しかった
｢翔ちゃんの隣｣なんであの子が？
俺だったはずなのに
イヤだ
彼女は翔ちゃんに愛されてる
羨ましい
ねぇ、なんであなたの隣は俺じゃないの
俺じゃダメなの？
だんだんどす黒い感情が湧いてきた
嫉妬か
俺ごときが翔ちゃんの彼女に嫉妬なんて
彼女は日向の人間であって俺なんかが嫉妬なんてできるような存在ではない
第一男と女が隣同士だなんて普通のことだ。否定することなどできない
分かってた
分かってたはずだった
それでも嫉妬してしまうのはきっと...
気づいてしまったんだ
俺は翔ちゃんの事が『好き』なんだって
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作者名：まかろん | 作成日時：2018年3月28日 15時
