虹色刑事

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神山Side



小「こちらです〜」

　濱ちゃんといれて嬉しいのか、張り切って案内してるのんちゃん。


神「望、現場の警察さんおるから意味ないねんな笑」

小「俺がやりたいだけやからいいの！」

神「はいはい笑、ごめんな？」

　のんちゃん(現場の警察)の案内で、古びた、2階建ての家の前までやってきた。木で作られとる扉をあけると、まず廊下があって、その先に広めの部屋が見えた。


濱「うわっ、匂いやばいやん」

神「ほんまやな」

　部屋に漂うのは血の匂いやな。広めの部屋を覗くと、被害者がうつ伏せで倒れとった。頭から血を流して。

　俺らは手を合わせてから、現場の警察に事件の詳細を聞いた。


　「被害者は、田中太郎。32歳です」

小「名前、めっちゃシンプルやと思わん？濱ちゃん」

濱「まぁそうやなぁ笑」

小「そうやろ！」

神「ほら望、失礼やで。」

　すぐｼｭﾝ…ってなる望。てか俺、今日めっちゃ望のおかんしとるわ笑。


神「続き、お願いします」

　「あ、はい。被害者は妻と二人暮らしで、妻の両親の農家を継いでるらしいです。住んでるとこはこことは関係ない場所ですね。」

神「死因は？」

　「頭を鈍器で殴られて、ですね。その鈍器は外に捨てられてました。鑑識は終わってないですが、たぶん犯人の指紋とかは取れないと思います。」

濱「指紋とれたら楽やのにな」

神「そんな簡単やったら俺ら呼ばれてへんやろ」

　「他、詳しいこととか追加情報とかは捜査会議でわかると思います。」

濱「わかりました。ありがとうございますー」

神「ありがとうございますぅ」

小「ありがとうございます！！」

　望はなぜかびしっと敬礼しとる。


濱「今日、絶好調やなぁ」

小「お陰さまですぅ」


　部屋の中に手掛かりになりそうなものは特になく、部屋をあとにする。

　外に出ると、山の気持ちいい空気がさっきの匂いを消してくれた。

桐「おい、望！俺らもう行くで！」

小「あ、いま行く！
　濱ちゃん、また後でな」

濱「はーい、あきとのとこはよ行き」

　望はとことこ照史に駆け寄っていく。

　それを見届けて、ひと息つく。この空き家、見るとほんまボロいなぁ。

濱「ここ、持ち主とかおらへんのやろ。取り壊しとかされへんかったんかな」

神「そうなってもおかしないよな」

濱「はぁ。今回も大変そやな。
　ほな、行こか、俺らも。

神「おん」


　俺らは、はっきりと残る往復しとる車の跡を横目に、湿った土の上を1歩、歩きだした。

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