【小説版】華夢学園 強化合宿編

5話 by麻倉緑子 ページ5

「私ってダメな子なんだね……」

　図書室の机に山ほど分厚い本を積み重ね、本を読みふけっていたがふと顔を上げて空にぽつりと一言。
　こうなると緑子はとことん落ち込む性質である。
　折角覚えた魔法も実戦で役に立たないんじゃ意味がない。
　詠唱を短くする訓練で最大限まで短くしたつもりだ。
　それが足りないのか。
　せめて相手を足止めできれば……。
　それとも単に、使っている魔法の詠唱が長いだけなのか。
　使い勝手が良い魔法を覚えるべき？

「……はぁ」

　いろんなことを考え過ぎて頭がパンクしそうになり、今考えたことを吐きだすように本日三度目ぐらいの溜息を吐いて本に目を落す。
　読み始めたはいいものの、内容が頭に入ってこない。
　時間が稼ぐ方法を考えるか、いっそ新しい魔法を考えるか……。
　緑子はどちらもしてもいいと思っているが、それではあまりに時間がかかりすぎる。
　すぐにはできないことぐらい知っている。
　だけど焦る気持ちは止まらない。

「もっと強くならなくちゃ」

　なんのために強くなるのかはまだわからない。
　まだ、決めていない。
　ただ目の前の目標を超えるだけだ。
　意気込んだ瞬間、バッグの中から携帯電話のバイブ音がした。

「……すみれさんから？」

　メールの内容を見ると、一言「生徒会室へ来てほしい」とだけあった。
　なんとなく予感がした。
　自分をもっと高みへ連れていける、と。


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中々忙しくて更新できないんですけど……。
っていうかみなさんの勢いについていけません；；
よろしくお願いします。

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