20話by樋暮 眞人 ページ20
「こんなもんでいいか」
こんなことをすれば卑怯だ!!とみんなから避難されるであろうが、私は東城家所有の別荘のキッチンで全員分の昼食、『ビーフストロガノフ』を作っていた。
……ちゃんとすみれちゃんから鍵はもらっている。
でもそのすみれちゃんの外見が何処か違ったような…
『あの…キッチンの鍵、借りていいかな?』
『…ああ、いいよ』
普通ならすみれちゃんは許可しないし…声も若干低かった…
まあいい。
月渚ちゃんが倒れた当たりから抜けたのだ。正確に言うと、対戦から逃げたのだが。
でも、戦かわないとトマトを食べさせられるし、負けてもトマトを食べさせられるという、なんとも選択し難い選択肢だ。
タイミングを見計らって鍋に掛けている火を弱火から強火にする。
メラメラと燃える赤い炎。
私が一年生の時、龍季祭でなくなった三年生の十夜先輩。
先輩が炎で包まれた時、呆然と立ち竦む時雨をその場から離れされ、まだ発達途中だった自分の竜巻で先輩の体から炎を取り除き、バケツ一杯の水を掛けた。
そして意識もない先輩を、同じ塔で治癒魔法に長けた三年生の女の先輩、『歌聖 双葉』先輩のところまで運んだ。
その時双葉先輩はこう言った。
「ひーちゃん、十夜ね、死んでるよ」
双葉先輩は泣きながら、まだ熱い十夜先輩の手を握りしめていた。
後から知った。
十夜先輩は双葉先輩の生き別れた双子の兄だった。
双葉先輩が涙を見せたのは後にも先にもあの一度だけ。
私はなんて声を掛ければいいのかさえ分からなかった。
それから卒業した双葉先輩が今何をしてるのかは分からない。
元気で過ごしていてくれたら嬉しい。
幸せに過ごしていてくれていたら…
そしてすみれちゃんは、きっとその事件のことを気にかけている……
_____________________
眞人が、単独行動に出た!
誰か連れ戻してやって下さい…
眞人の過去も後々明らかにしていく予定です!
ちなみに、ひーちゃんというあだ名は、苗字の樋暮からきています。過去三年間で眞人のことをひーちゃんと呼んだのはこの先輩だけです。
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ねこうさぎ(プロフ) - 更新しました。あと、話数が一杯なので続編に繋げてください。 (2015年11月14日 9時) (レス) id: 927634d6aa (このIDを非表示/違反報告)
しのっち(プロフ) - ねこうさぎさん» ・・・・え・・・・じゃあ、消える可能性が高いですね・・・僕のが・・・・その時はもう一回書きます・・・・ (2015年11月13日 22時) (レス) id: 56a4443702 (このIDを非表示/違反報告)
ねこうさぎ(プロフ) - しのっちさん» あ、すみません…今私が更新している途中なのですが… (2015年11月13日 22時) (レス) id: 927634d6aa (このIDを非表示/違反報告)
しのっち(プロフ) - ・・・・更新致します・・・・ (2015年11月13日 21時) (レス) id: 56a4443702 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - しぃふぁさん» ハードル上がった気分ですw脳筋の頭で一生懸命考えてみます(笑) (2015年11月13日 20時) (レス) id: a5e70fbf84 (このIDを非表示/違反報告)
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