【小説版】華夢学園 強化合宿編

19話by東城すみれ ページ19

引き分けかぁ…

「さっすが、凛君…」

最近の龍季祭に負けないくらいの腕の上げようではないか。

…相手が大嫌いな私だからか。

先ほどから静まり返っているメンバーに微笑みを返す。

「リボン…取りに行ってくるね」

今できる精一杯の笑顔を見せて体育館から出る。

いやぁ…。

「たったの2戦で精神ズタボロとか…ないわぁ」

思わず自傷的な笑いを浮かべながら自室へと向かうために地下へと降りる。

机に乗ったままの大量のリボンから紫を選択して手首に巻きつける。

血が止まるほど強く巻きつければ生まれつき白い肌が一層白く見えた。

…首に巻きつけたらどうなるだろうか。

死ぬか。

当たり前だね。

廊下を突っ走り体育館の扉を開ける。

驚いた表情のみんなに笑顔で応える。

そしてさっき戦った2人だけに伝わるくらいの大きさで呟いて置いた。

「無茶は厳禁…何か悩み事があるなら身近な人に相談しなよ！」

…自分みたいに手遅れならないようにさ。
凛君は勘付いてるかなぁ…。

構わないや。

演じて、演じて。

笑って。

いつの間にか壊れてて。

ピエロで。

ヘラヘラ笑っていれば。

「…次はだーれ？」
準備はできてるの。

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