とある高校の禁恋話 ＪＷ

☆○o。5。o○☆ ページ27

神ちゃんside



校庭から海辺まで4人、全力疾走した結果



「うそやろ...」



最下位は制服のまま海に入れよ、なんてアホな提案をした張本人ののんちゃんがまさかの最下位。



「はぁ、ひっさしぶりにこんな走ったわ」


「流星が珍しく本気出してきた」


「...神ちゃんが思っていた以上に速かった」



息を荒げながらも満面の笑みのしげに、流星への愚痴を吐くのんちゃん。

そして流星から思った以上に、なんていわれて少し心外な俺。




「俺、流星が思ってる以上に運動神経いいんやからな！」


「ほんまやでー神ちゃんには誰も勝たれへんもん」


「しげは俺と一年一緒におるからわかるよな」



「みんな早すぎやろ」




のんちゃん最初はよかったんやけどドンドンスピード落ちて最後は歩いてた。

諦めが早いこと...


俺は、歩いてたのんちゃんを思い出してつい笑ってしまった。



「神ちゃん笑うのはまだ早いで？」

「そうやで〜望がびしょびしょになるんやから」



そういって笑うしげと流星はいたずらっ子の顔。

逆にのんちゃんは覚悟を決めたみたいでちょっとワクワクした表情。




「のんちゃんなんでそんなワクワクしてんの」

「だって楽しくなってきてもうたから！ 神ちゃんも一緒やる？？」

「や、遠慮する...って、ちょっとのんちゃん！！」




のんちゃんに思いっきり腕をひっぱられる。


少し後ろから聞こえてきた、




”神ちゃん行けー！！！”


”望勢いよくいっちゃえ〜！”




なんて賑やかで明るい声のふたり。





「ほらーいくで〜！！」




どこまでも真っ青で宝石のように輝く海が目の前に。



なんとなくのんちゃんの気持ちがわかる気がした。





’ばっしゃーんっ’




海のつめたさを感じると同時に太陽の温かさも感じる。


あと、めちゃくちゃしょっぱい。





「豪快にいったなー！」


「しげ、俺らもいこ！」


「楽しそうやし、俺らもいく〜！」




わーっと全力で浜辺から走ってくる流星としげ。




「神ちゃん髪の毛やばいで」



俺の隣では俺の頭をみて爆笑するのんちゃん。


「そんなのんちゃんだってやばい」


俺も自然と笑いが込みあげてくる。





’ばっしゃっ’




「うおっ」




盛大に俺に海水がかかった。




「よっしゃ！ 遊ぶで〜！」


「俺も楽しむで」


「水掛け合いしよーや！」


「4人と海楽しすぎやで」





制服のままでの海。

いつもまでもこの青春という名の思い出は消えない気がした。




end

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