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「追いかけて来ないんだもんなぁ…」
自分から勝手に出てきたけど、それでもテヒョンなら私を追いかけて来てくれるんじゃないかなんて自惚れてた。
でも、現実はそんな上手くいかなくて。
止まらない涙を拭くこともしないであてもなく街を歩いていた。
.
ポケットで震える携帯を見ると、
「ジミン…」
今出たら、絶対にジミンにバレる。そんな事になったらテヒョンはこれからグループに居づらくなるんじゃないか。
なんて、結局テヒョンの事ばかり考えてしまう自分がとことん嫌いになりそうだった。
.
1度切れたと思うとまたすぐにかかってくる電話。
なにかに勘づいているんじゃないかってくらい、いつものジミンと違ってしつこい。
「もしもし…」
JM「A、何度もごめんね。実はさ、今度長めの休みがもらえることになったんだ。だから、テヒョンと2人でどっか行けるんじゃないかなと思って…」
「無理だよ。」
JM「え…無理ってどういう事?」
私のただならぬ空気を感じ取ったのか、さっきまでの明るい声色とは打って変わって低くなったジミンの声。
「私、もうテヒョンとは一緒にいられない。」
JM「なにそれ。なにがあったの?」
「言いたくない。でも、テヒョンとはもう会いたくないんだ。」
私の言葉を聞いてジミンは、分かった。と一言呟いて、
JM「話さなくても良いから、今は1回、宿舎においで。」
なんて言うから、また涙が溢れてきて嗚咽をジミンに隠す事で精一杯で、まともな返事なんて出来なかった。
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作者名:ぽんた | 作成日時:2019年4月10日 21時