それでもあなたが好きだから TH (ページ9)

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ベッドの上には、下着も何も身につけていない女性と上半身裸のテヒョンの姿があった。

一瞬で青ざめている女の人をよそに、テヒョンもまた焦ったような表情を見せた。

“ねぇ、テヒョンくん…”

どうしよう、と言わんばかりにテヒョンのことを見つめる女の人。

「テヒョン、質問に答えて。私とあなたの家で知らない女の人連れ込んで何してたの？」

何も言わないで黙りこくるテヒョンに嫌気が差した。

「何か言ってよ！」

“見れば分かりますよね。何してたかなんて。”

私が部屋に入った時とは一変、開き直ったような様子の女の人は言った。

『やめろ。』

“なんで？テヒョン言ってたじゃん…”

『やめろって言ってんだろ。』

テヒョンの低くて冷たい声に女の人は肩をビクつかせた。

でも、それさえも私にとっては腹立たしくて。

『A、俺…』

「呼ばないで。」

『え…？』

「何したって、私なら許してくれると思ってた？私が、毎日毎日どんな気持ちでテヒョンを待ってたか知ってる？」

何も言わずに黙りこくるテヒョン。

段々視界が霞んできて、そのうち涙が零れた。

『聞いて、あのね…』

「もういい！…もう、いいから。」

何もかもが嫌になって、1度でも知らない女の人が入った家でこれから先も生活しようなんて気にはならなかった。

『待って…』

「もう、終わりにしよう。私たち。」

なんの考えも無しに、私は家を飛び出した。