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「また余っちゃった。」
夜の0時過ぎ、食卓に置き去りにされた一人分の食事を見ても、そろそろため息すら出なくなってきた。
ただ、勿体ないなってその気持ちしか、もはや抱かなくなって、日々の業務みたいに今日もその食事を処分する。
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寝室へ移ると、一人ではあまりにも広すぎるキングサイズのベッドが視界に映る。
両手を大きく広げたって十分すぎるくらい広いそのベッドに最後に二人で寝たのはいつだっただろうか。
彼の仕事が忙しいこともあるけど、もしかしたら結婚してから一度も無いかもとか考えると笑えてくる。多分もう少ししたら私の戸籍にバツがつくんだろうなとか考えて、って事は彼の戸籍にもバツがつくんだよねなんて考え始める。
私はまだ良いにしても、世界的アイドルがバツイチとか普通に考えてなんか笑えるなって。どんなに華やかな仕事してても実生活は上手くいってないじゃんって。
いっその事、あんな最低な男なんだから私から離婚届も結婚指輪も全部全部投げつけてしまおうかと思ったことも何度もあるけど、私の中の何かがそれを抑圧していた。
「私って、馬鹿みたい。」
言いたいことも言えずに、毎日を無感情で過ごしている私は、自分自身にため息を一つこぼして、今日も目を閉じた。
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作者名:ぽんた | 作成日時:2019年4月10日 21時