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その日は、もう夜も遅かったからテヒョンさんに連絡するのは後日にすることにした。
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私も私で、大学のレポートだとかバイトだとか色んな事が重なってしまって連絡したのはあの日から1週間が経ってしまっていたけど。
「もしもし。」
『どうしたの?』
Aちゃんから連絡してくるなんて珍しいね、と言われた。
私からテヒョンさんに連絡したのは初めてだと思う。
「今度、いつ宿舎行けますか?」
『…どうしたの、急に。』
私が急にそんな事を言うものだから驚いた様子で聞き返してきたテヒョンさん。
私がいきなりそんな事言ったらそりゃ驚くよね。
「この間、テヒョンさんが家に来たときに指輪を忘れていったみたいなので返したいんです。」
『あれねー…返さなくていいよ。あげる。』
「え?」
『大きめのデザインじゃないから女の子がつけても全然変じゃないし。Aちゃんがつけて。』
まさかそう言われると思わなかったから、少し驚いた。
テヒョンさんが言う通り、ゴツゴツした男物って感じの指輪じゃなくてシンプルな指輪だから私がつけても特に違和感は無さそう。
「本当に貰っちゃっていいんですか?」
『うん。結構お気に入りのやつだから大事に扱ってね!』
可愛いデザインだし、テヒョンさんが自分の物を私にくれたと思うととても嬉しくなった。
「分かりました。大事に使います。」
私の中の大事な物が一つ、増えた。
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作者名:ぽんた | 作成日時:2018年7月18日 20時