#017 ページ17
ソヨン「A、どこ行ってたの?」
ここから話が面白くなる所だったのに、と子供みたいに口を尖らせるソヨン。
「電話してた。」
ソヨン「誰と!」
目を爛々とさせながらソヨンは聞いてくるけど、テヒョンさんと電話してましたなんて口が裂けても言えない。
今までソヨンには隠し事なんてしたことなかったし、寧ろ昨日見たテレビが面白かっただの、最近このお菓子にハマってるだの、
どうでもいい事も全て話してきた。
だけど、今回はそうはいかない。何よりもテヒョンさんに迷惑をかけてしまう事になりかねないから。
ごめんね、ソヨン。
「お母さんだよ。帰りに買い物してきてって。」
ソヨン「…なんだよ、男かよ〜!」
…ソヨン、私の話聞いてた?
「いや、違うから。」
ソヨン「だって、男じゃなかったらわざわざ席なんか外さないでしょ?」
彼氏できたのかよって赤い唇をさっきよりももっと突き出す。
…タコみたいですよ、ソヨンさん。
ソヨン「もし、本当に男なら絶対いつか紹介してよ?」
「…当たり前。」
本当の事を言えない自分が嫌で、ソヨンに一度でも嘘をついてしまったことがとても嫌で、
心の中でソヨンに何度も謝った。
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作者名:ぽんた | 作成日時:2018年7月18日 20時