#016 ページ16
「テ、テヒョンさん?」
『…Aちゃん、今さ私なんかに時間使っちゃってるーとか思ってるんでしょ。』
私の心の中を見透かすような声で問いかけるテヒョンさん。
さっきまでの呑気な声じゃなくて心臓がドキリという音がしたのが分かった。
「…」
『Aちゃんと話してるとリラックスできるんだよね。安心するっていうか。』
「それは、ありがとうございます。」
今までそんな事を言われたことが無かったからそこに関しては素直に嬉しい。
『また電話するからね。その時はもっと話そ。』
テヒョンさんのその言葉で私の心の音がまた鳴った。
でも、今度はドキリとかそんなんじゃなくてなんていうか…キュンみたいな…
なんなんだろう、これ。
「楽しみにしてますね。」
建前とかじゃなくて心に秘めておくはずだった本心がいつの間にか口を突いて出た。
これじゃ、次も向こうが電話してくれること催促してるみたいじゃんか…馬鹿か私は。
『本当に!じゃあ時間が空いたらまたAちゃんに電話するね。』
テヒョンさんは喜んでくれたみたいだからまだ良かったけど。
あぁ…でも、本心では何こいつ、めんどくせえやつだなとか思われてたりしたら…
でも、あんなに性格の良いテヒョンさんに限ってそんなことは…
「はぁ…」
いつの間にか切れていた電話を手に握り締めながら頭の中はテヒョンさんにどう思われているか、
それでいっぱいで溜め息が止まらなかった。
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作者名:ぽんた | 作成日時:2018年7月18日 20時