きみの隣。TH (ページ2)

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「いったい…」

鈍く痛む頭を抑えながら大学へと向かう。

大学に入って3年目。当たり前に大学生活にも慣れて、友達もいる。

ソヨン(서연)「A、おはよ！」

「ソヨン、おはよ。」

大学の一番の友だちとも言えるソヨン。

私の過去も唯一彼女だけには話している。

ソヨン「もしかして、今日も見た？」

「よく分かったね。笑」

ソヨン「そりゃ、分かるよ。ここんとこ回数多くなってない？」

「うん、なってる。でも、どうやったら見なくなるのかも分かんないし…」

誰かが私に魔法をかけて、一瞬で当時の彼との記憶だけを消し去ってくれたらきっともう見ることは無いんだろうけど。

そんな事が現実で起こるわけもなく。

長い長い時間の流れに身を任せてこの記憶を風化させていくという事しか私には思いつかなかった。

ソヨン「そんなの簡単でしょ。」

「はい？」

ソヨン「古い恋を忘れるには新しい恋って言うでしょ！

好きな人が出来ればきっとその人のことで頭がいっぱいになって前のやつのことなんて忘れるよ。」

「もう、好きな人の作り方自体忘れたわ…」

恋から遠ざかってきた私にとって“好きな人を作る”ということさえも難しく思えた。