きみの隣。TH (ページ1)

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“あんた、誰。”

「誰って、私は彼の恋人で…」

私の彼氏の隣で腕を絡めながらこちらを睨みつける女に向かって私はそんな弱々しい主張しか出来なかった。

‘お前なんて知らない。帰れ。’

「…え？知らないってどういう事？」

いつも私の隣で笑ってくれていて、

いつも私の頭を優しく撫でてくれて、

いつも私を優しさで包み込んでくれていた彼はもうそこにはいなかった。

私をまるで敵かのような視線で見てくる彼の気持ちを私が取り戻すことは不可能だと悟ってしまった私に残ったのは悲しさと虚しさだけだった。

「私たち、いつから終わってた…？」

‘終わってたも何も、最初から始まってないだろ。’

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「…はっ…！」

またこの夢だ。

彼と別れてから既に1年が経とうとしているのに未だに幾度と無くこの夢を見る。

その度に私はその時の悲しさを思い出して枕を濡らし、汗びっちょりの状態で起きる。

「今日学校なのに。」

家を出る前にまた、お風呂に入らなければならない。

それに、この夢を見ると決まってその日一日は頭痛と倦怠感が身体を襲う。

この夢を見た日は本当に面倒だ。

だけど、今も尚彼がまだ自分の事を…なんて淡すぎる期待を抱いている自分が一番面倒だ。