【文スト】通りすがりの通行人A

二十六刻 ページ28

歩き続けて2日か


日は2回上がってきた


辿り着いた其処は、明らかに今迄の横浜とは異なる雰囲気を漂わせていた


古びた家


其処らで座り込む人々


静かに震える裸足の子供達





貧民街だ



「はぁ……」



家で当初はこんな事になるなんて考えてなかった


どうせすぐ警察に補導されて家に帰されると思い込んでいた


それが、こんな大事になるとは




でも、もうやる事は無い


華に思いの丈を伝えた


家族はもう気にする必要ないと思うし


誰も助けに来ない


それに、フルートは使えない





もう人生においてやるべきものが無くなってしまった






そう思いそれから3日3晩、飲まず食わずで寝てばかりいた


然し空腹状態、冷たい床、外


満足に眠りにつけず、ひたすら体力が奪われていく一方



もう直ぐあの世？



なんて思っていた



そんな時



私に新しい手が差し伸べられた





「girl。君が雨宮Aかい？」





「……ぇ…」







嗚呼神様




これ以上私に夢を見せないで

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