十三刻 ページ15
「っと……警察官とか?」
「…ぶー!警察でもないよ」
と言いそのまま受け流す太宰さん
如何やらセーフのようだ
ピピピピピピッ
携帯の通知音
谷崎さんから聞こえてくる
如何やら彼の物らしく、うン?と反応して応答する
「依頼ですか?」
依頼主は髪色の明るいスーツ姿の女性
太宰さんのような変人に口説かれてもスルー出来る方だ
依頼内容は、社の裏に住み着く善からぬ輩の証拠集め
「小僧、小娘。お前らが行け」
と云う事で、この依頼は初仕事として行く事になった
「こいつには遭うな。遭ったら逃げろ」
「この人は_」
国木田さんからの注意として見せられた写真
そこに写る黒い青年_芥川龍之介
太宰さん曰くマフィア
私は彼に遭った事があるような気がする
そんなこんなで初仕事
敦さんと谷崎兄妹と4人で樋口さんの跡を追う
目の前でいちゃつく谷崎兄妹に敦さんはたじたじだ
「着きました」
もう目的地に着いたようだ
其処は薄暗い路地裏だ
「鬼魅が悪い処……」
「……おかしい」
私の呟きに続くように谷崎さんは云う
「本当に此処なンですか?ええと_」
「樋口です」
樋口さん
依頼人なのに今まで名乗っていない
連れてきたのは逃げ場のない路地裏
そして此処には樋口さんと私たち以外の声は聞こえない
人里離れたこの場所
「失礼とは存じますが嵌めさせて頂きました。私の目的は_」
(嗚呼やられたな、これ)
「貴方がたです」
「芥川先輩?予定通り捕らえました。これより処分します」
「あくた…がわ?」
「ここで死んで頂きます」
樋口さんは一方的に私たちに話し、銃を構えた
銃口から見るに、狙いは谷崎さん
そしてなんの躊躇もなく発砲する
「兄様…大丈…夫?」
撃たれた弾は、彼を庇ったナオミさんに全て撃ち込まれた
そのままふっと倒れ込む
「ナオミッ‼ナオミナオミ!しっかり_」
これ程までに無いくらいの焦りを見せる谷崎さん
こんな事態は人生で初めてだ
敦さんと私は放心状態
そんな私たちとは違い、谷崎さんは焦りつつも適切な指示を出す
「そこまでです」
樋口さんはナオミさんに続き谷崎さんまで撃とうとする
それが見事に谷崎さんの地雷を踏み抜いた
「ー細雪ー」
「ぇ……雪…?」
季節外れの雪が降る
「敦くん。Aちゃん。奥に避難するンだ。こいつはボクが_」
「殺す」
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ナオミ←本名ww - 夢主さん・・・華さんに嫉妬していましたのね・・・大丈夫ですわ!ナオミだって物凄くお母様に嫉妬していましたの!お母様は兄様にしか愛を注いであげていたのにナオミには愛を注いでくれなかったんですのよ!非道いですわ! (2018年5月18日 18時) (レス) id: 82a269b100 (このIDを非表示/違反報告)
つっきー - 夢主ちゃんが悲しすぎます! もうすこしだけ更新してほしいです、お願いです! (2018年4月2日 16時) (レス) id: 2ed9afabdf (このIDを非表示/違反報告)
キキリア - もう完結ですか?そうでなければ更新頑張ってください!! (2018年3月26日 17時) (レス) id: cae09e118c (このIDを非表示/違反報告)
ホデリ(プロフ) - すごく人間味があってとても好きな作品です!! (2018年3月14日 6時) (レス) id: ed3662b0d9 (このIDを非表示/違反報告)
妹舞 - とても好きなお話です!更新頑張ってください! (2017年10月30日 23時) (レス) id: dffb3f017a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レモンキャンディ | 作成日時:2016年7月28日 3時