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九刻 ページ11

「入社…試験?」


つまり爆弾も何もかも、演技

だから爆弾魔と人質の子はあんなに仲睦まじく戯れているのか


「その通りだ」


「社長」


国木田さんが会釈をする


「しゃ、社長⁉」


社長までもがこの入社試験の仕掛け人

なんとも大掛かりな入社試験だ


「そこの太宰めが『有能なる若者が居る』と云うゆえ、その魂の真贋試させて貰った」


(凄い小難しい事云ってる…)


「君を社員に推薦したのだけど、如何せん敦君は区の災害指定猛獣だし、Aちゃんは音をたてるだけで人を殺しかねない。保護すべきか社内で揉めてね」


中島さんも私も開いた口が塞がらない


「で、社長の一声でこうなった、と」


「で、社長…結果は?」


国木田さんが仕切り直す

しばらくの沈黙。そして


「太宰に一任する」


社長はそう云い残し、部屋を出て行った


「……」


「合格だってさ」


太宰さんはさっぱりした笑顔でそう告げる


「つ、つまり…?僕達に斡旋する仕事っていうのは此処の…?」


太宰はクスッと笑って云う


「武装探偵社へようこそ」


「うふ、よろしくお願いしますわ」


「い、痛いそこ痛いってば。ナオミごめん、ごめんって!」


人質の子も爆弾魔もこの社の者らしい

そして人質の子のポケットから覗く手の模型

あれで中島さんを押したと思われる

中島さんは腰が抜け、倒れこむ


「ぼ、僕達を試すためだけに…こんな大掛かりな仕掛けを?」


「この位で驚いてちゃ、身が保たないよ?」


太宰さんのニコッと笑うその顔が悪魔のように見えてくる

それが恐ろしく思えた中島さんは、素早い動きで後退する


「いやいや!こんな無茶で物騒な職場、僕無理ですよ!」


「おや、君が無理と云うなら強制は出来ないね」


てっきり引き止めると思いきや、あっさり諦めた様子。に思えた


「となると、君が住んでる社員寮引き払わないと」


中島さんの顔が絶望に染まる


「あと寮の食費と電話の支払いもあるけど…大丈夫?」


大丈夫なはずない

選択肢はまさかの無し

中島さんと私は、ほぼ強制的に入社する事になった





これからの生活に問題はないと思う

でも、不安は募るばかり


「…いつ、モブにされるのかな」


私の小さな呟きは、誰の耳にも入る事はなかった

__________________

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評価102票!

お気に入り261人!

誠にありがとうございます‼


〜追記〜
能力の説明文を少し変えました

十刻→←八刻



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ナオミ←本名ww - 夢主さん・・・華さんに嫉妬していましたのね・・・大丈夫ですわ!ナオミだって物凄くお母様に嫉妬していましたの!お母様は兄様にしか愛を注いであげていたのにナオミには愛を注いでくれなかったんですのよ!非道いですわ! (2018年5月18日 18時) (レス) id: 82a269b100 (このIDを非表示/違反報告)
つっきー - 夢主ちゃんが悲しすぎます! もうすこしだけ更新してほしいです、お願いです! (2018年4月2日 16時) (レス) id: 2ed9afabdf (このIDを非表示/違反報告)
キキリア - もう完結ですか?そうでなければ更新頑張ってください!! (2018年3月26日 17時) (レス) id: cae09e118c (このIDを非表示/違反報告)
ホデリ(プロフ) - すごく人間味があってとても好きな作品です!! (2018年3月14日 6時) (レス) id: ed3662b0d9 (このIDを非表示/違反報告)
妹舞 - とても好きなお話です!更新頑張ってください! (2017年10月30日 23時) (レス) id: dffb3f017a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レモンキャンディ | 作成日時:2016年7月28日 3時

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