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(ymmt side.)
『ひっ、や…!!』
細い裏道に差し掛かった時。
Aちゃんが、ストーカーの男性に腕を掴まれた。
河「あの野郎ッ…。」
福「山本、行こう!」
山「っはい!」
僕たちは、2人の方へと走り出した。
僕は持ち前の足の速さを活かして、福良さんや河村さんよりも早く走る。
陸上をやっていて良かった、と心の底から思った。
山「ッ…はぁ、やめろ!Aちゃんから離れろっ…!!」
僕は男性の肩をぐっと掴み、力任せに後ろへと引く。
男性の顔は、フードとマスクでよく見えない。
『や、まもとく…』
伊「A!!」
反対側からこちらへ向かって来る伊沢さんが、Aちゃんの名前を叫んだ。
これでメンバー7人が揃い、男性の挟み撃ちに成功。
男「なっ…。」
此処に駆けつけてきた人数の多さに、男性が怯む。
その隙に、伊沢さんがAちゃんを引き寄せて男性と距離を取らせ、後ろ側に立つ川上さんに預けた。
伊「…お話を、伺えますか。」
営業スマイルを貼り付けた伊沢さんが男性に問う。
目だけは、睨んでる。
今までにないくらいに伊沢さんのオーラが怖すぎて、仕事仲間である僕たちも怖気付く程。
男「ッ、クソ!!」
男性が、Aちゃんに向かって走り出そうとする。
『…!』
男「…ッ゛!?」
しかし、男性の動きは、ギチッという音とともに止まった。
男「う゛っ、あ…!」
伊「…まだAを恐怖に晒す気か?」
伊沢さんが、右腕で男性の首を絞めているのだ。
伊「いい加減にしろ。」
男「…っ、ぐ…ぅ゛…」
福「伊沢…!」
目が。
伊沢さんの目が、殺意に変わりそうになった時。
こ「伊沢さん、その辺にしてください。」
おそらくこの状況で一番必要な存在である、こうちゃんが制止した。
伊沢さんは、無言で右腕を離す。
男「かはっ…!はっ、げほ、げほっ…」
男性は膝から崩れ落ち、床に手を付いた。
こ「初めまして、渡辺航平といいます。改めてお話を…」
『…っ、ちょっと待って!』
一斉に、その場の全員の視線がAちゃんに向く。
こ「Aさん?」
Aちゃんは川上さんから離れ、四つん這い状態で肩で息をする男性の方へと歩く。
須「ちょ、A…!?」
男性は下を向いたままだ。
『貴方に聞きたいことがあるんです。
貴方は…私のファン、ですよね?』
「「「「「「「…え?」」」」」」」
男性は徐に顔を上げ、目を見開いた。
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亜露夢 - コメント失礼します!続編読みたいです。ランなさんのお話大好きです!これからもご自身のペースで頑張って下さい!(生徒会副会長と吹奏楽部副部長…尊敬します。そちらも頑張って下さい!) (2020年7月5日 18時) (レス) id: ec857bc14c (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 少し前に紹介されてたけど、出てくるタイミングを失っていたランなのリア友です。私も続編を読みたいな。こんなふうに、たまにコメント欄に出てくるので皆さんよろしくお願いします! (2020年7月2日 23時) (レス) id: dc74e3fb2c (このIDを非表示/違反報告)
月の狼 - とても好きなので、続きお願いしますm(__)m (2020年7月2日 21時) (レス) id: 8520cb345b (このIDを非表示/違反報告)
ここあ。(プロフ) - 読みたい!です!主様のお話好きなので! (2020年7月2日 20時) (レス) id: 2eecf27a1d (このIDを非表示/違反報告)
りゅかるぅ - コメント失礼します。このお話が大好きで、毎度楽しんで読ませてもらっています。続編はぜひ書いてもらいたいです!応援してます! (2020年7月2日 6時) (レス) id: 980203a542 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ランな | 作者ホームページ:
作成日時:2020年5月16日 21時