ヒースクリフの婚約者様は…？【まほやく】

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『じゃあ荷物まとめてくる。そんなに多くもないけど…。』


「一応魔法が使えなかった時のために早めにしてくれよ。」
『わかってるよ。』


フィーデスを食堂に待たせて、自分の部屋に向かう。

荷物の準備をしていると、部屋のドアが控えめにノックされて、ヒースの声が聞こえてきた。


「愛称、今入っても大丈夫？」
『うん、どうぞ。』



『シノは？』
「食堂で朝食食べてるよ。

………どこか、行くの？」


部屋を見渡して、心配そうに言う。
ヒースを心配させてしまったことに苦笑しながら、荷物を魔法で仕舞う。


『ちょっとね、お父様にお呼び出しされちゃって。』
「…大丈夫？」

『ふふ、大丈夫だよ。呼び出されたのも、お姉様たちのこと聞かれるだけだと思うし…。』
「でも、宮廷は王妃様や王女様たちが……」


『すぐ用件を済ませて帰ってくれば大丈夫。

……心配性だね、私の婚約者様は。』



ヒースが苦々しい表情を浮かべる。

「…心配にもなるだろ。今まで何回も愛称が殺されかけたんだから。」

『でも死んでないじゃない。戦場に赴くわけでもないんだから、そんなに心配しないで？ちゃんとヒースのところに帰ってくるよ。』

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