ヒースクリフの婚約者様は…？【まほやく】

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賢者side

「して、賢者よ。なにか用事があってここに来たのじゃろ？」
「はい。実は昨晩、墓地で……。」



「……墓荒らし……？」
「そうなんです。埋葬品は手を付けずに、遺体だけなくなっていて……。」
「接近しすぎた〈大いなる厄災〉の影響を受けた埋葬品や、巨大な鳥の影の話も気になるな……。」

「はて、巨大な鳥の影……。」
「聞いたことがあるような、ないような……。」
「本当ですか？」

「うーむ、ここまで出かかっておるんじゃがの。」
「年をとると若いもののように、ぱぱっと思い出せんのじゃ。」

「スノウとホワイトが思い出すのを待っていられないな。調査に協力してやる。

ただし、恩賞が欲しい。」
「恩賞？」

「シノ、控えろ！申し訳ありません、アーサー王子。シノはまだ子供で……。」
「世間知らずのお子様はおまえだ。王子様。オレは親なしの、小間使いだ。世間に信用されるものが欲しい。」

「なるほどな……。だが、それならあなたの名前王女に与えてもらったほうがいいのではないか？あなたは東の王族だろう？」
『………。

……民の人望が厚い人物、肩書きに見合った働き、また実績を持つ人物が与える恩賞だからこそ、世間から信用が得られます。

私は東の王家出身ではありますが、民との交流は浅く、肩書きに見合った働きも、まして実績も持っていません。

私の与える恩賞では、シノの望むものは得られません。』

「………。」

「そうか……。たとえそうだとしても、私から与えることは出来ないよ。」
「何故。」

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