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賢者side
「まったく……。どうして、僕がこんなことに付き合わなきゃいけないんだ。
「すみません、先生。」
「子供たちだけでは危険だって、賢者さんが言う前に言ってたのは、あんたのほうじゃないか。面倒くさがり屋の割には真面目だな。」
「同行しているおまえもな。」
「お二人とも親切ですよ。」
「あんたまでついてくることなかったのに。賢者さんに何かあったら、お偉いさん方に怒られそうだ。」
「お偉いさんってどなたです?」
「オズとか、スノウとホワイトとか?」
「すみません……。お城の外の世界も見ておきたくて。」
「退屈な景色だろう。夜は殆ど人が出歩かない。」
「暗いですもんね……。」
「そうだ。〈大いなる厄災〉を忌避しながら、〈大いなる厄災〉の光を頼りにするしかない。僕らは都合がいい生き物だ。」
「墓地が見えてきた」
「シノ、ひとりで先に行くなよ!」
「大声を出すな、ヒース。死者が目覚める。」
「……っ、はい……。」
『死人は大声で目覚めるんですか?』
「なんだ、怖いのか?おまえらが殺したやつらがここに眠ってんのか?」
『まず怖がってないから。』
「殺したりしないよ……。」
「なら、怖がるもんでもないだろう。」
「シノ、どこに向かってる。」
「あの丘も墓地じゃないのか。」
「違う。あそこは処刑の丘だ。罪人が処刑され、傍らに埋められる。」
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謡月篠彗 - 月宮ミナさん» はじめまして!コメント、ありがとうございます。ヒースクリフ、良いですよね。可愛いしかっこいいし顔がいいし声もいいしシノとの関係性とか大好物です(ノンブレス) (2022年11月11日 23時) (レス) id: ec1ca7135a (このIDを非表示/違反報告)
月宮ミナ(プロフ) - はじめまして!まほやくを始めたのがつい最近ですが、推しはヒースクリフなのでこの小説があってとても嬉しいです!更新頑張ってください! (2022年11月8日 23時) (レス) id: 5f45b8b985 (このIDを非表示/違反報告)
謡月篠彗 - 氷華さん» 初めまして!コメント、ありがとうございます。そういって頂けて嬉しいです!!これからも頑張りますね!! (2022年3月5日 17時) (レス) id: ec1ca7135a (このIDを非表示/違反報告)
氷華(プロフ) - 初めまして、とても面白く素敵なストーリーで更新心待ちにしております!これからも頑張ってください。 (2022年3月2日 21時) (レス) id: 938924d105 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪月詠 | 作成日時:2021年12月24日 0時