【歌い手】重い愛。【まふまふ】

愛が25こ ページ32

震災から5年が経ちました。




たくさんの方々のご冥福をお祈りします。




たくさんの命を、絆を、繋いでいきましょう。






10,000hit越えありがとうございます。
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｢いや、かえりたい…｣









そ｢なんで？またそういうこと言う。俺じゃダメな理由を教えてよ。｣









ダメとか、そんなのわかんないよ。






ああ狡い。








今まであんなに優しくしてくれたのに。







あれは、全部嘘だったの？







幻だったの？








こんな夢なら早く覚めて。







早く、真冬の場所に、帰らせて____。









……プルルルル









私の、携帯。





出ても大丈夫かな。






誰からだろうと、ちらりと液晶画面を見る。









〖真冬〗









バッと、反射的に窓の外を見る。





真冬の家の窓から、微かに誰かがこちらを見ているような気がした。









そ｢……まふ？｣









｢あ……、はい……。｣








少し考えるような仕草をした後、




またにやりと妖しい笑みを浮かべた。









そ｢出れば？｣









｢え？｣









そ｢愛しの真冬くんからでしょ。出てあげないの？俺は気にしないよ。｣









これはそらるさんなりの優しさなのか。







はたまた、善からぬ企みがあるのか。









どうでもよかった。






真冬の声が聞きたかった。









｢も、もしもし…｣









ま『あ、Aちゃん。まだ帰って来れなそう？』









｢あー…、うん。｣









ま『そっかあ…。じゃあ、外食でもしてこようかな。うらたさん誘って。』









｢えっ、だめ。｣









ま『…じゃあ早く帰ってきてよ。』









少しだけトーンの下がった声色。






真冬が、寂しがってる。






早く、帰らなきゃ。









そ｢今日は返さない。｣








ま『は？そらるさんなんで____』ﾋﾟｯ









ﾂｰ…ﾂｰ…ﾂｰ…ﾂｰ…









私の携帯を持って笑っているそらるさんは、






もう私の知っているそらるさんじゃないらしい。

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