0.2話 ページ21
その声を聞いたまだ生きている兵士たちが全力で走り去っていく。
だが、連は動こうとしなかった。
連の腕を引き、風間が走る。
「や、あ、あ、風間、さん、はなし、て、A、A、Aッッ!!!!」
連は大粒の涙を溢しながら引き摺られていく。
零音は全員が逃げたのを確認すると、残った力をかき集めるように目を閉じた。
そして。
「流星群(ミーティア・ライン)ッッ!!!!」
極東の女王、四葉真夜しか使えないはずの魔法、[流星群(ミーティア・ライン)]を発動した。
光が通るように空いた穴は、周りの敵を全員無力化した。
零音はこれが最期、というように微笑んで、瞼を閉じ、ゆっくりと崩れ落ちた。
◇ ◇ ◇
佐伯side
数時間前、零音中将との連絡が途絶えた。
心配だ。
逸る気持ちを抑えて待っていると、荒々しくドアがノックされた。
「入れ」
そこにいたのは、悔しそうに唇を噛んでいる風間と、顔に涙の痕跡を残しながらも、まだ泣き続けている柳。
「・・・何があった」
私が問うと、口を開こうとした風間を遮り、柳が言葉を発した。
「我が独立魔装大隊はッ・・・数時間程前、敵から奇襲を受け、ほぼ全滅、そしてその際ッ・・・零音中将が、命を落としました・・・ッッ!!!」
私は愕然とした。
まさか、そんな。
零音中将が、死んだ?
嘘だろッ・・・。
しかし、私にそれを口にすることは許されなかった。
いつもは感情をあまり面に出さない柳が、泣いているんだぞ?
嘘な筈がない。
疑っていい、筈がない。
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光井 ほのか
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作者名:龍牙 | 作成日時:2017年6月24日 23時