魔法科高校の劣等生 3

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合計三千を超える石段を上り、大きな門を潜るとパッと見、境内か何か。
十二分に広い空間に、大きな建物が三つ、周りに寝殿造のよう平屋が数戸…

スパイを担う家がこんな自己主張有りまくりで大丈夫なのかと心配するくらいには大きいし目立つ、上から。



危機感、大事だよ。




まぁ説明しながら歩くと玄関前に到着したので一歩足を踏み入れる



と、そこに響くのは老若男女問わず様々な声が入り交じった、けれども調子と速さは完璧な出迎えの言葉


「「「お帰りなさいませ、A様」」」


「お荷物をお持ち致します！」

「お疲れでしょうから靴をお脱ぎください。」

「はい、こちら下駄でございます。」

「冷茶をお持ちしましたよ」

「糖分も一緒にどうぞ！」



『あ、ありがとう…ございます。』


ちなみに全員九十九さんであり、門下生なんだけど。
未だにこの扱いは慣れないものだ。




そして、一番大きな館の奥には、現当主をはじめとする九十九本家の人間が集まる場所がある。


『…叔父様、Aです。ただ今帰りました』


「よくぞ帰ってきてくれた。少し散らかっているが、どうぞ入りなさい」



私の母の兄であり、九十九家現当主である叔父は優しく私を招き入れた



『お変わりはないようで、元気そうでなによりです。』


「そういうAこそ。
学校はどうだい？楽しいかな？」


『はい。想像以上に充実していて、周りの人もみんな優しくて助かっています』


それもこれもみんなお爺様のお陰
もうなんと感謝を申し上げたらいいのか分からないくらい、本当に感謝している。


他愛もない世間話や、現在の九十九家の話に花を咲かせ、小一時間が経った頃


一通の電話が掛かってきた

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