魔法科高校の劣等生 (ページ43)

今日:14 hit、昨日:105 hit、合計:892,027 hit

3-19 ページ43

その後暫く無言で片付けをしていたのだが

どうやら渡辺先輩はこういったことが苦手らしい

達也や私の前にスペースが次々に出来ているのに対し渡辺先輩の前にある物は一向に片付く気配がない

チラッと達也が目を動かす

小さく溜め息
渡辺先輩は諦めたように手を止めた

「すまん。こういうのはどうも苦手だ」

それは女子として危なくないですか、とは思ったが口には出して言わなかった
私もそこまでバカな子どもではない

『…てか、よくこれだけの量をファイル分け出来るわね』

「そうかな？
Aなら文章を読めばわかるよ」

平然と言ってのける達也だが、私には達也程のスピードで資料を振り分けるのは至難の業だ

つまり、彼の目の前にスペースが出来上がっていくスピードは速すぎるというわけだ

「はあ…とりあえず、達也君をスカウトした理由は先程述べた通り、未遂犯に対する罰則の適正化と二科生に対するイメージ対策だ」

「憶えていますが、イメージ対策の方は逆効果だと思います。」

「どうしてそう思う？」

(…ちょっと、なんか、ボッチ感極まりないんだけど？泣いていいかな…)

でも、この会話に私はなんだか入ってはいけない気がするのも事実
大人しく一人作業を続けながら話を聞くことにした