魔法科高校の劣等生 (ページ42)

今日:10 hit、昨日:105 hit、合計:892,023 hit

3-18 ページ42

生徒会室に戻るといきなり腕を取られた

反射的に振りほどきそうになるものの、掴んだ相手が渡辺先輩だったので行動を踏みとどまる

危ういところだった

達也も同様に投げ飛ばしそうになっていたところをどうやら思いとどまったらしい

これもまた、危ういところだった

「今から風紀委員本部に行こうか」

腕を取られ、引っ張られているのは不可抗力だ

が、深雪の片眉は吊り上がっている
まぁ、渡辺先輩は女性だしな…

このままの体勢では歩くのが大変なので言葉でどうにか腕を解放してもらう

深雪もしぶしぶとだが、黙認してくれるようだった

「ここが入り口だ」

と言われ通って来たのは階段と階段の間の細い通路

火災が起きたら逃げるのは不可能な作りになっている

まあ、魔法師には関係ないのだが…
でも、少しは考慮すべきでは？と思った
口には出して言わなかったけれど

「少し散らかっているが、
適当に座ってくれ」

むずむずする。

少しとは言い難い、書類や使用途中のままのCADが無造作にあちらこちらに散らばっていた

とりあえず指示通りに椅子を正して座る

でも、やっぱり

『風紀委員長、机の上だけでも片付けてよろしいでしょうか？』

「俺も同じ意見です。
CADがこのように放置されていては、魔工師志望としては耐え難いものがあるんですよ」

「あ、ああ。私も手伝おう

というか、あれだけの戦闘スキルがあるのに魔工技師志望なのか？」

「俺の才能じゃ、どう足掻いてもC級のライセンスしかとれませんよ」

渡辺先輩は反論しようとして、何も思い浮かばなかったのだろう
愕然とした顔をしている

無理もない。この社会では仕事の難度に応じて必要とされるライセンスが指定されているからだ

無論、ランクの高いライセンスを持つ魔方師ほど高い報酬が貰える仕組みだ