魔法科高校の劣等生 (ページ20)

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『この魔法、会長…っ』

このままここにいると自分が危険だと本能が言っている
逃げなきゃ、そう思った私は体の向きを変えその場から逃げようとした

はずなのだが、真後ろにいた風紀委員長のせいで出来なかった

いつの間に後ろに？というか何故？
聞きたいことは山々だが、仕方なくここは下級生として素直に対応しておく
目線を上げると目の前に風紀委員長の少し切れ長の瞳が私の顔を覗いていた

『あ、あの…』

…目線が外せない。何となくだが、そこから逃げるなよと脅しを掛けられている気がする
いや、気のせいではないようだ
大人しくそこに居ることにした

「止めなさい！自衛目的以外の魔法による対人攻撃は校則違反である以前に、犯罪行為ですよ！」

それにしても会長の声はよく響くなーと一人場違いなことを思いながら成り行きを見守る

『一科生さん、冷や汗かいてるわね』

確かに、自分があの真ん中の少年だったら同じ気持ちだ
だって自分は一科生
こんなところで恥以上のものはかきたくないだろう

『犯罪行為、か…』

「あなたたち、1－Aと1－Eの生徒ね。事情を聞きます、ついて来なさい…ついでに貴女も」

ジロッといった感じで風紀委員長に言われては断る術無しだな
ここは大人しくついて行くしか…