魔法科高校の劣等生 (ページ19)

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図書館塔は校舎とは別の所に建っており、一度外に出てから行かなければならない
面倒だとは思うが、実際に図書館塔を見ればどうして別の所に建っているかが解るだろう
…そう、蔵書が多すぎて校舎に保存するスペースが無かったのだそうだ

だから私は一度通学靴を履いて外に出た
ちょうど校門あたりを通ろうとしたときだったか
離れたところで一悶着あっていた
一科生と二科生、ということはまたどちらかが相手にそれを理由に噛みついたのだろう
まぁ、自分には関係が無いのだからどうでもいいのだが…

一度も見ることなく通り過ぎようとした瞬間、私の名前を呼ぶ声が聞こえた
勿論、耳で聞いたのではない
心で聴いたのである

『…気づかれた、ということは深雪ね
まったく、私まで巻き込む気かしら？』

はあ、と溜め息はつきながらも足は心の声がした方へ向いている
いや、これはただの気まぐれだ
決して助けに行きたいとかそんなことはないんですからっ

一人でデレても楽しくないわね、とそんな場違いなことを思っていたらなんと目の前で銃撃戦が繰り広げられる寸前ではないか

一科生の一人が魔法を発動させようとしたところをエリカが黒い棒で叩き落とし、何故かエリカと同じく二科の生徒が言い争いを始める

いや、ほんとにこれは何なのでしょうか
何かの茶番劇だったりします？
それなら今来た道を引き返すのですが…

とまた独り言をブツブツ言っていると次は一科の一人が魔法を発動し始めた、と同時にそれが閃光魔法であることに気付く

『念のため』という言葉が私の頭の中でリピートされる
それを理解するのにコンマ２秒、そして魔法式を崩す魔法を発動するのにコンマ２秒
狙いを定め、その子の魔法式だけに向かって放つ

かなり雑な魔法式になってしまったがまぁ問題はないだろう
予想通り魔法式だけを破壊することに成功した私は一人安心する
しかし、間髪いれずにその後から本物の攻撃が入る
その子のCADに向かって