魔法科高校の劣等生 (ページ11)

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名前を聞いて気が付いた

…この人、数字付き(ナンバーズ)か
しかも「七草」、また厄介な人に声掛けられたなぁ

入学式の時点で気が付かなかった自分も馬鹿だが、数字付きとなれば無視は出来ない

この国において、魔法に優れた血を持つ家は慣例的に数字を含む苗字を持つ。魔法師の能力は遺伝的素質に大きく左右され、その資質に家系が大きな意味を持つのだ

その中でも、七草家は現在この国において最有力と見なされている二つの家のうちのひとつだったはずだ

そんな苗字を持つ人が生徒会長
ということは、恐らく直系の血を引いているのだろう

『…初めまして、七草会長
私は朱鷺宮Aです』

ペコリと頭を下げる
次に顔を上げると後ろにいる男の人と目が合った

「俺は副会長の二年、服部刑部小丞範蔵だ」

…なっがい名前だな
と思いながらも一応頭を下げる

また、頭を上げると更にその後ろにいる一年生たちと目が、というより何か見られていた、が正しい。うん。
真ん中の目が鋭い人はすごく驚いている。みんな驚いているけどね

とりあえずここはスルーだな

『…あの、どうして私なんかに声を掛けられたのですか？』

本題はこれなのだ
別に生徒会長に反発するような態度はとった覚えなどないし、関わるようなこともしていない
家系の都合、ということもないはずだ

では、何故か？

「先程、中庭のベンチで読書していらしたでしょう？それに、読んでいるものが現代では触ることがほとんど無い、本だった。すごく興味が沸きました
そしてきっちり結んだ三つ編みに底の厚い眼鏡。すぐに顔を覚えましたよ」

だそうだ。

この格好、目立たないためにしているのにムダな効果を発揮している気がするのは気のせいか

しかし、これと言って特徴は出していないはずだ
それを覚えることが出来る…
やはり数字付きは侮れない(いや、なんか違う)

『本のほうが好きなんです。
何処にでも持っていけるし、映像や書籍だと端末持ち込みが禁止されている所では使えませんからね』

「ますます珍しいです。
私も映像より書籍派だから、ちょっと違うけど、何だか嬉しいわね」

そう言ってニッコリ微笑む七草会長

男にこんな笑顔を向けたらそいつは一瞬で心奪われるだろう
小柄で少し童顔だが、愛嬌のある笑顔に均衡のとれた女性らしい体つき
足りないものが何一つ見当たらない、素晴らしいプロポーションだ

こんなことを言っては私が変態のようなんだけど…