魔法少女も恋してる。 (ページ7)

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7.魔法少女のアルコール。ページ7

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「本当に平野紫耀が分からなくなってきた…」

『まぁ、もともと不思議な子でしょう？』

ビールジョッキを片手にそう言ったのは、
楽屋では喋らないで有名なメイクさんこと、
キョウコさん。

私より年上で、綺麗ではっきりとした顔立ちにスタイル抜群という、誰がどう見ても美人お姉さんである。

ただこの人は酒豪なので、
同じペースで飲んだりした時にはもうさようなら。

いつだったかの私みたいに、道端でぶっ倒れて、誰かに連れ去られたのかと思えばしっかり家に帰されていた、なんてことも…。

『…あんた今日ペースが速いわよ』

「だって！一瞬でも推しと密室に二人きりになったんだよ！…飲まないわけないじゃん！」

『理由になってないわ笑』

まぁつまり、
ダチョウよりも脳がちっちゃくておバカな私は、
昔と同じようにキョウコさんのペースにつられてお酒を飲んだので、今日はさようならってわけ。

あーあ、また道端でぶっ倒れた時に、
あのお兄さんに拾われねぇかな。

あ、でも今度は家に上がられると平野紫耀グッズ見られて気まずいな。

別にいっか、あ、こいつオタクになったんだなー、ぐらいにしか思われないでしょ、どうせ。

『こら、何考えてんの？ちょっと休憩しなさい！』

「うわぁん、もうどうでもいいもん！ひらのしょおも！きゅうせいしゅのおにぃさんも！ぜんっぶどうでもいい！」

『あーあ、知ーらない…笑』

その後はよく覚えてないけど、結局ちゃんといつも通りに寝室のベッドで目が覚めた。

でも起きた時に、なーんかやけに脳内リピートされてた、ちょっと曖昧な言葉があってさ。

『俺はどうやって……すればいいの？』

それも甘ったるーい声で。

例えるならそうだな。

平野紫耀が本気で胸きゅんゼリフでも言った時ぐらいには甘かったかもなぁ。

ってことは平野紫耀の夢でも見たのかな？

え、平野紫耀が出てきた夢？

ちゃんと覚えとけよ！

ダチョウでも平野紫耀の夢見たら
覚えとく努力ぐらいするよ？！

……あれ、何の話だっけ。

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