魔法少女も恋してる。 (ページ9)

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9.魔法少女に水。ページ9

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『はい、これ飲んでください？』

「ありがとぉ…」

あの日と同じようにおんぶして歩いていると、
突然、気持ち悪い…と呟いたAさん。

その辺にあった自販機で水を買って渡すと、
ごくっごくっと豪快に数秒間飲み続け、
ぷはぁ、と満足気に笑って見せた。

その可愛さに悶えながらも
ようやく辿り着いたのは、

3年前に来た場所とは違って、
セキュリティもしっかりとしている
随分と広い家。

それに…

『…何これ？』

「あぁ！みないでよ！はずかしいから！」

綺麗に片付けられた部屋の
片隅にあるテーブルの上。

そこに雑多に置かれていたのは、俺のうちわ。

よく見るとアクスタも、ぬいぐるみも、
ポイッとそこにまとめて置かれていて…。

どういうこと？

なんでAさんが俺のグッズ持ってんの…？

「へへ、ひらのしょおってかっこいいからさ…」

そう言いながら、
恥ずかしそうに両手で顔を隠したAさん。

うーん。

ひらのしょおって…俺、だよな。

じゃあAさんは俺のファンで、
俺のことをかっこいいって言って、
今、恥ずかしそうに顔隠してて…。

「わっ！なにするんですか…！」

なんて頭で整理しているうちにも、
とうとう色々と我慢してた感情のブレーキが
全部壊れてしまったらしい。

気づいたらAさんを、
ソファーに押し倒していた。

『AAにそんなこと言われてさ…』

「んん、はなれて…！」

『俺はどうやって…我慢すればいいの？』

俺の言葉に、Aさんは肩をビクっとさせて、
初めて、その綺麗な瞳をこちらへ向けた。

数秒見つめ合った後、
目を閉じてそっと唇を近づける。

「……おにぃさん…ひらのしょおに似てる！」

『…あのさぁ』

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