財閥嬢と執事たち (ページ29)

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No.5__ ページ29

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足も治ってしばらく経った

そして今日はとある人に会うためにいつもは来ないようなカフェに来ていた

「A」

『瑞稀、』

井上瑞稀

本当は彼がうちの会社を経営していくはずだったのだがどうしても嫌だ、と親と揉めて大学入学を機に一人暮らしを始めて戸籍も変えた

元は同じ東雲という苗字も井上に変えた

瑞稀「ふはっ、久しぶりだな」

『そうだね』

瑞稀「どう？親父とか相変わらず？」

『うん、成績ではうるさいしサッカーもドラムも全部やめろって』

瑞稀「ほんと頑固だよな。執事たちは？」

『まだいるよ？平塚が運転できるようになったくらい』

瑞稀「え、運転すんの？！」

『そうそう。リムジンもできるし片手運転もなんでもできちゃう』

瑞稀「すげーな、」

ブラコンシスコンとまではいかないがとても仲良かった2人

執事たちからも喧嘩がないよね、と言われていたためAからしたらなんでも話せる瑞稀がいなくなることはとても悲しかったのだ

『瑞稀戻ってきてよ』

瑞稀「ふはっ、言われると思った笑なんで？」

『お父さんがうるさいし。うざい』

瑞稀「俺もそれが嫌で出てったんだからさ」

『知ってるけど』

瑞稀「でもお前元木たちと楽しそうじゃん」

『え、そう見える？』

瑞稀「俺が住んでた時からそれは思ってた」

そう思われてたのは衝撃的だなあ、と思いながらジュースを一口飲む

しばらく他愛もない話をしていると携帯から電話が鳴った

瑞稀「わり、」

『ううん。出なよ』

電話に出ると友達だったのか楽しそうに話す瑞稀

今友達といるから、と電話を切った

『友達？』

瑞稀「彼女」

『彼女？！』

瑞稀「ちょっ、おまっ！きたねーよ！」

びっくりしすぎて口に含んでいた飲み物が出るところだった

危ない危ない

彼女なんていたんだなあ

まあそうか、あんな窮屈な場所から抜け出したらそりゃあ彼女の1人や2人くらいは、と納得する

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