もう1人のマイキー【東卍】

13話 危急存亡 ページ15

自室



結局あの後、タケミっちの見舞いに行ってくると出て行った万次郎はというと何があったのかすっかりケンチンと仲直りをしていた。タケミっちって誰だ…？そんなこんなで今日は8月3日。武蔵祭り。エマはケンチンとお祭りに行くみたいで、その上万次郎も呼ばれたとかでいないし、じいちゃんも集会でいない。



『祭りの日に家で1人って…』



浴衣を着て気合い満々のエマにリンゴ飴買って帰るからねっ！と笑顔で言われれば、そう出掛ける気も起きない。時刻は夕飯時。何もしなくても腹は減る。Aはキッチンへ行くと、エマが作ってくれていたオムライスを冷蔵庫から取り出しそのまま電子レンジに放り込む。もしかしたらワンチャン圭介空いてる…？と思い、電話帳にある場地圭介の名前を押して携帯電話を耳に当てるが出る気配はない。



『やっぱ抗争あんのか…？』



何コールかした後に、電子レンジが温め終わった事を知らせてきたので通話を切る。ふわっとラップを取ればオムライスのいい匂いが食欲を唆る。いただきます、と手を合わせ一口食べた瞬間着信音が鳴り響く。場地からの折り返しだと思い咀嚼しながら携帯の画面を見るとエマの2文字。ケンチンと何かあったのか、はたまた惚気話か…。オムライスをごくんと飲みこみ、次に備えスプーンを動かしながら通話ボタンを押す。



エ「！！…ｯお兄ちゃん！！！」


『お〜今オムライス食ってる』


エ「ｸﾞｽｯお兄ちゃんあああん…ｯ…！」


『エマ……？』



まるでその場で泣き崩れるような悲痛な妹の叫びに只事ではないと察する。落ち着け、大丈夫だから、な？と優しいトーンで話しかければ少し落ち着いたのか小さく返事をするエマ。



エ「ド、ドラケン…ケンちゃんが…ｯ」


『ケンチンがどうした？』


エ「ｯさ、刺された…！」




どくん、と心臓がうつ。ケンチンが…刺された…？




『お前は何ともない？救急車は？』


エ「うちは大丈夫…！救急車は今呼んだとこ…どうしよお兄ちゃんｯ…うちどうしたら…！」


『兄ちゃんすぐ向かうからエマはケンチンの傍にいろ』



うんｯと精一杯返事をしたエマに軽く微笑んだ後携帯の通話を切る。食べかけのオムライスを残したまま一直線に玄関を出、愛車へと跨る。



『ｯ無事でいてくれよ、ケンチン…！』




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次回ようやくタケミっち登場します遅くなってごめんねタケミっち

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