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枯れ果てた細い木々の間を全速力で駆け抜ける。
足元は泥濘んで何度も滑りそうになるが、そんな事を気にしてはいられない。
もうどのくらい走っただろう。
何日か、それともまだ1日のうちだろうか。
“夜”というものを初めて知った時は驚いたものだ。
たった1日で、明るい時間と暗い時間が入れ替わるというのは全く想像もしなかった。
なぜかと問い質しても村の住民は誰一人として教えてはくれなかったが。
そんな事すらも今の状況では邪魔になる。ちょうど目の前にやや太めの枝があった。
他の木に比べれば随分としっかりしているようだ。 迷っている暇はない。
走ったままの勢いで少し腰を落として、跳躍。右腕で枝を掴むと、更に勢いをつけて前方の幹へ移った。
鈍い音を立てて枝が折れる。足裏に付いた泥が次の木への移動を妨げるが、なんとか持ち堪えた。
しかし順調に進めたのはほんの少し。
「…遠いな」
突然開けた山道に出たためか木と木の間が離れている。これではまず飛び移れないだろう。
背後からは微かに足音や指示を出す声がする。こんなところで足止めを食らうとは。
呼子の音。
たくさんの兵士。
飛び散った血。
重そうな手枷。
……………ボクは、大丈夫。
体が動かない。一体何なんだ。何が怖いって言うんだ。あいつがどうなっていようが関係ないのに。
『いたぞ！』
その声が追っ手のものだと理解した時、何かが袖を引っ張った。
突然のことで抵抗できるわけもなく、木の分かれ目から滑り落ちる。
自分が何をしていたのか、それに意味はあったのか。
頭を強く打つ数秒前、そんなことが脳裏をよぎった。
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魚拓(りょくちゃば。)(プロフ) - お茶漬けさん» わー!亀更新になってましたが見に来てくださってありがとうございます!頑張りますよー! (2016年6月5日 22時) (
レス) id: c3debed354 (このIDを非表示/違反報告)
お茶漬け(プロフ) - 更新お疲れ様です、元(ｽﾔｧ)←です。覚えてますかね( ´ ▽ ` )更新頑張ってください! (2016年6月5日 19時) (レス) id: d3355cdb9b (このIDを非表示/違反報告)
ひのとり(プロフ) - 見るの遅くなってすいません。おもしろいです。更新楽しみにしてます。 (2015年12月23日 18時) (レス) id: 6280e24e01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魚拓 | 作成日時：2015年9月2日 13時
