誕生日プレゼント（緑）3 (ページ9)

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何度もしゃくりあげながら

何度もつっかかりながら

何度もおんなし話をする俺を

ヤスは

何度もうなずきながら

何度も俺の背中を擦りながら

何度もティッシュを渡してくれて

ちゃんと最後まで聞いてくれた

涙と鼻でずるずるの俺を見て

｢アイドルがほんまに...｣

｢今日のおーくらにやったら俺でも勝てるわ｣

そう言うて笑ろたあと急に真面目な顔して

｢なぁ...｣

｢せんちゃんとお前が付き合っとんはわかった｣

｢...わかったけど...｣

｢こないだお前...｣

｢結婚の話んなった時｣

｢紙切れ一枚のことにこだわる意味がわからん｣

｢そう言うてたけど｣

｢それってせんちゃんとちゃんと話した事あったん？｣

って聞いてきた

｢へっ？｣

思ってもへんかったヤスの言葉に気の抜けた声が出た

｢やから｣

｢お前のあの気持ちせんちゃんも知ってたん？｣

抑揚のないヤスの言葉が続く

｢いや...｣

｢...でもあん後二人で話しして...｣

｢パートナーとしてずっと一緒におりたいって...｣

俺の言葉を遮るように

｢それはお前の気持ちやろ？｣

｢せんちゃんもそう言うたん？｣