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なんて答えたらええんやろ？
ヤスにはAのこと言うてないのに
どこから話せばええんやろ？
ぐるぐるそんな思いが渦巻いて
頭が真っ白んなってもて
何一つ言葉が出えへんかった
黙り込んでもた俺をヤスは急かしたりせんと
黙ったまんまコーヒーを口に運んどって
静かな部屋にゆいちゃんが洗いもんしとる音だけが控えめに響く
しばらくしたら
キッチンから聞こえてた水音が止んで
ゆいちゃんがリビングから出て行ってドアを閉めた音がした
その音を待っとったかのように
｢せんちゃんのこと？｣
｢...せんちゃんと何かあった？｣
ヤスが俺と視線合わせることなく口を開いた
ヤスの話し方は良くお花畑に例えられるけど
ほんまに
優しく優しく
俺の心にしみてきて
昨日からもぉバカになっとる俺の涙腺から涙があふれた
ヤスは問い詰めるでもなく
｢ほんましょうもないやっちゃなぁ｣
｢好きなだけ泣きや｣
そう言うて
俺の頭にティッシュの箱をあててきた
それが
あの日のAを思い出してまた涙が止まらへんよぉになってもた
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作者名：UTA
| 作成日時：2019年6月17日 9時
