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その後
ヤスの運転する車に乗せてもらう
ヤスが話さへんから俺も黙ったまんま
それとも
俺が話さへんからヤスも黙ったまんま？
スピーカーから控えめな音で流れる
昔の映画音楽のインストメンタルに包まれた車が
夜の道路をすべるように進む
どっかヤスの行きつけの店に行くんかな？
って思っとったら車は
ヤスんちの駐車場に滑り込んだ
あぁそっか
飲みながら話聞いてくれるんか
こっからタクるんやな
｢俺がタクシー呼ぼか？｣
って言うたら
ヤスはこれ以上あらへん位
大きて長いため息をついて
｢おーくらってアホなん？｣
｢外でなんか話せる内容ちゃうやろ？｣
って心底呆れ果てた顔で俺を見た
｢おーくらのそういうとこ直した方がええで｣
って言うたら俺に背中向けて歩き始めた
あれ？
なんか俺あのヤスにダメ出しされとる？
頭ん中はてなでいっぱいやけど
とりあえず置いてかれへんように
慌ててヤスの後を追った
エレベーターん中でも
ちらちらヤスの顔を見るけど
ヤスは一回も視線合わせてくれへんかった
ヤスはこの前みたいに玄関のインターホン押して
｢ただいまぁ｣って優しく言うてから
自分で鍵を開けた
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作者名：UTA
| 作成日時：2019年6月17日 9時
