誕生日プレゼント（緑）2 (ページ8)

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暫くAの頬に手を当てたまんま親指で撫でてたら

｢...わたし...でも...｣

｢...おんな...じ...？｣

Aが話し始めた

途切れ途切れに吐き出される言葉を

聞きもらさへんように

Aの口元に耳近づけて聞く

けど

｢？｣

｢何と同じ？｣

全然話がピンとこおへん

Aは小さなため息ついたら

その後言葉が続かへん

眠ってもたんかな？

そお思た時に

｢...こと...は...ちゃん...｣

｢...と...｣

ことはちゃんって誰やねん？

思わずツッコミそうなったけど

とてもそんな雰囲気ちゃうし

相槌さえ打てんと固まってもた

何をなんて答えたらええねんやろ

そう思もてたら

｢...けっこん...｣

って小さく聞こえて

｢えっ？｣

って思わず聞き返した俺に

｢...意味...無いって思う？｣

って目を瞑ったまんま

感情の無い声で続けるA

ことはちゃんってさっきの女の人？

これってなんて答えるんが正解なん？

けど

Aには

嘘はつきたないし

Aやからこそ

嘘はつかれへん

俺はベッドの横で居ずまいを正す

｢こんな仕事しとるからってのも大きいんかもしれん｣

｢けど｣

｢どうしても結婚でしか手に入らんもん言うんが分からへんねん｣

｢オトンやオカン見とっても幸せそうやって思うで？｣

｢思うけど｣

｢それは紙切れ一枚出したからやのうて｣

｢オトンとオカンがお互いにちゃんと向き合うてきたからやと思うねん｣

｢俺は｣

｢結婚いう形に意味は見い出せへん｣